薬剤師Nです。
黒柴犬3匹と暮らしています。
3歳、2歳、6か月のジョシーバ(女子柴)です。
今日は長女 なみのお話。
ペット禁止のマンションから戸建て住宅に引っ越しをして、夫も私もはじめてのワンコです。
お家に来て2週間、お家警戒というより徘徊をはじめました。
ワンコを飼ったことが一度もない私でしたが、子犬のお家探検とは明らかに違う様子はわかりました。
なみを動物病院に連れていき、様々な検査を行ったのち、先天性の肝内門脈シャントという肝臓の病気がわかりました。
門脈は消化管から吸収された栄養分や有害物質を肝臓に運ぶ重要な血管です。
門脈シャントは、その門脈の手前に別のルートの血管ができてしまって、肝臓で無毒化されるべき有害物質が全身を回ってしまい、よだれ、ふらつき、視覚障害、痙攣などの神経症状が現れる、肝性脳症が現れるようになります。
なみの徘徊は肝性脳症の状態だったわけです。
先天性の門脈シャントは手術をすれば助かる可能性があるけれど、肝臓の外に門脈シャントがある場合の成功率は高いのに、なみの場合は肝臓の中、しかもものすごくアプローチのしにくい場所のため、成功率はなんと50%、でも私はその50%にかけることにしました。
手術ができる位の大きさになるまで、頭に悪さをしているアンモニアを排除するために、たんぱく質控えめのごはんにし、ラクツロースとBCAAを服薬し、痙攣予防の為にレベチラセタムを服薬していました。ワンコに服薬指導は聞いてもらえないけれど、服薬拒否されないように色々工夫して、服薬コンプライアンスの向上を図りました。
これができなかったら、薬剤師じゃない?!
手術は、シャント血管を一気に閉じてしまうと門脈圧が高くなってしまうため、2回に分けて行うことになりました。
1回目の手術は北海道酪農大学の先生が執刀してくださり、無事に成功!
4か月後に2回目の手術も無事終えて、厄介な門脈シャントは完全結紮。ただ、肝細胞は成長期に栄養が不十分だったこともあり未熟のままのため、今でも肝臓の数値は若干高いままですが、アンモニアの値は下がったままで経過できています
今では、普通のごはんを食べることができるし、いたって元気!
身体も大きくなって、今日も私の元気の源になってくれています。